Our Story
「これで、ようやく
次の話ができます」
ある特殊清掃の現場でのことです。作業を終え、窓を開けて空気を入れ替えていたころ、それまでずっと廊下で待っておられたご遺族が、部屋に入ってこられました。しばらく黙って立たれたあと、ぽつりと、そう言われました。
私たちは、部屋を元の状態に戻すことが仕事だと思っていました。けれどあの日わかったのは、私たちがしているのは「次の話を始められる状態にすること」なのだ、ということでした。
ただ、その「次の話」——この家をどうするのか、売るのか、貸すのか——は、当時の私たちの領分の外にありました。だから私たちは、不動産会社になりました。